sukiyaki-k’s diary

アラフィフからのやり直し人生。日々のことや黒歴史など思いつくままに綴っていきます。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー(感想文)

こんにちは。sukiyaki-kです。

 

わたくし、読書は大好きなのですが

偏屈なところがあって、

この本☟

 

 

「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

(本屋大賞の2019年ノンフィクション本大賞受賞)

に関しては、

多様性社会の現実やレイシズムはいけないってことが書いてあるんでしょ、

っと

読みもせずに決めつけてしまっていて

ちょっと手が出なかったのです。

食わず嫌いみたいなものです。

 

だが、しかし!!!

読み終わって思うことは

「なんでもっと早く読まなかったんだろう。」

です。

本屋さんのポップで

「人生の課題図書」

と書かれていたのを見た時は

なんて大げさな。。。

と正直思ってしまったのですが、

ごめんなさい、謝ります。

その通りです。

娘にも読ませたいと思った一冊です。

が、

今の若い子の方が、レイシズムやLGBTQに関して理解があるような気がするので

大きなお世話かも(笑)

私たち世代にこそ響くのかもしれないです。

 

イギリス在住の著者が実際に体験したこと

息子が体験したことをエッセイのように綴っています。

著者の夫はアイルランド人、息子は混血でオリエンタルな顔立ちで、

有色人種です。

色々な人が生活しているイギリスで体験する出来事を通して、

親子でディスカッションしながら過ごす日常のことを書かれています。

多様性社会のことや、人を思いやる気持ち、コミュニケーションの取り方、

いじめ、レイシズム格差社会などにどう向き合っていくのか

親子で話し合い、子供が自ら考え行動していく様を読み

自身の考え方、レイシズムについて再考する機会となりましたし、

新たな発見がありました。

 

子供だからと侮るなかれ、

子供だからこその純粋な視点で世界を見ている息子さんの言動は

時として、私をどきりとさせました。

 

ブレイディみかこさんの

聴いたことを文章にして、読み手に現実的に想像させる文章力もすごいですし、

これを書くには、大前提として子供の理解がとても必要だとも思うのです。

日頃から常に会話し、理解に務めようとする母の姿勢があり、

互いの信頼関係があることがよくわかりました。

日々の生活の中で、息子を信じ、見守り、的確に導いていく著者を尊敬です。

著者自身も、息子の体験を通して自身の考えを深めたり

新たな気付きをもらったりしている様も描かれています。

 

イギリスでは授業の中に「演劇」と「ライフ・スキル教育」というものが導入されていて、これによって、適切な言動で自分の主張を行うことができるのかなとも感じました。

(ライフ・スキル教育=感情的知能の分野(自己コントロール力やコミュニケーション力)。中学校では、シティズンシップ・エデェケーション(政治教育・市民教育)が取り入れられている。)

日本の教育課程にも取り入れて欲しいとちょっとだけ思ってみたり(笑)

実際、私は言語で、適切に端的に物事を説明することが苦手です。

考えすぎてしまったり、言葉足らずだったり。

なので、格好つけずに、素直な自分の言葉で見たまま、感じたままを話せる息子さんがとってもクール(格好良い)と感じます。

もちろん、著者であり、母のブレイディみかこさんも、とってもクールです。

息子の通う中学校を「元底辺中学校」という名称で紹介したり

セクションごとの見出しが、もともとある言葉をオマージュして付けられている印象があったりします。

例えば、

「未来は君らの手の中」ではブルーハーツの「未来は僕らの手の中」を連想し、

「存在の絶えられない格差」ではミラン・クンデラの「存在の絶えられない軽さ」を連想しました。

ところどころで、クスリとします(笑)

 

いろんな問いかけをくれるだけではなく、遊び心満載の本なのです(笑)

これは、本当に私にとって「人生の課題図書」でした。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。