sukiyaki-k’s diary

アラフィフからのやり直し人生。日々のことや黒歴史など思いつくままに綴っていきます。

「雨ニモマケズ」に思うこと

 

こんばんは

sukiyaki-kです。

 

宮沢賢治の「雨ニモマケズ

人生そのものが詰め込まれていると感じるくらい

奥の深い作品だと思います。

ただ、この詩に共感や感動を覚えたのは恥ずかしながら

ここ数年です。

 

小学校か中学校の国語の授業で初めてこの詩を読んだ時

まったく意味がわかりませんでした。

以下全文

(原文はカタカナと漢字で書かれていますが

読みやすいように、現代風にアレンジして記載させてもらいます。

宮沢賢治さんごめんなさい。)

 

雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けない

丈夫な体を持ち

欲はなく 決して怒らず

いつも静かに笑っている

一日に玄米4号と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分の勘定に入れず

よく見聞きし わかり そして忘れない

野原の林の下のかげの

小さなかやぶきの小屋にいて

東に病気の子供がいれば

行って看病してやり

西に疲れた母がいれば

行ってその稲の束を背負い

南に死にそうな人がいれば

行って怖がらなくてもよいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い

日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに 私はなりたい

 

 

教育にあーだこーだいう気はないですし

私の理解力が追い付かなかっただけなのかもしれませんが

小学生や中学生にこの詩の意味を理解しろというのは

いささか無理があるのではなかろうかと

私は感じてしまうのです。

詩の前半~中盤にかけては、

なんとか理解するまではいかなくても

「こんな人もいるんだ」レベルでの納得はできました。

雨にも負けず 風にも負けず

雪にも夏の暑さにも負けない

丈夫な体を持ち

欲はなく 決して怒らず

いつも静かに笑っている

一日に玄米4号と味噌と少しの野菜を食べ

あらゆることを自分の勘定に入れず

よく見聞きし わかり そして忘れない

野原の林の下のかげの

小さなかやぶきの小屋にいて

東に病気の子供がいれば

行って看病してやり

西に疲れた母がいれば

行ってその稲の束を背負い

南に死にそうな人がいれば

行って怖がらなくてもよいと言い

北に喧嘩や訴訟があれば

つまらないからやめろと言い

ここまで、です。

ここまでは何とか納得しました。

ただ、食事が質素で家が小さくて貧乏くさくて

生活には憧れないけれども

人間的には良い人だなという印象です。

しかし、ここからです

日照りのときは涙を流し

寒さの夏はおろおろ歩き

皆にデクノボーと呼ばれ

ほめられもせず 苦にもされず

そういうものに 私はなりたい

 

はっ!?

デクノボーになりたいの?

ほめられたくないの??

はぁ?????

小学生や中学生の頃って

承認欲求の塊のようなところはないでしょうか?

認めてほしい

ほめてほしい

そして、異性を意識するような時期でもありますから

格好良くいたい

後半部分、まったく相容れないのです。

理解のできなかった私は両親に尋ねました。

「どうして宮沢賢治はデクノボーになりたいの?」

父と母は、なんとか応えようとして、話をしてくれたのですが

まったく腑に落ちなくて、しつこく食い下がって

仕舞には怒られました。

思い返せば、あの頃の両親はまだ20~30代

宮沢賢治の境地に達するには、まだ若かったのだろうと思っております。

エリクソン発達心理学者で精神分析家)の発達段階においても

20~30代の時期は、他人との交流の中で

「親密性」を築き上げたり「孤独」に陥ったりする時期で、

「親密性」対「孤独」が発達課題となっています。

しっかりとした自己を確立したうえで他者と親密な関係を築く能力を養っていく時期ではありますが

親密な関係が築けない時、時として孤立してしまうといった側面があります。

(そして、この課題をうまく乗り越えられた時、「親密性」と「孤独」のバランスがうまくとれたときに、得られるものは「愛」だとエリクソンは述べています。)

 

この「雨ニモマケズ」の境地は、エリクソンの発達段階に照らし合わせてみた時

かなり人生経験を踏まないと理解できないのではなかろうか、と私は思うのです。

エリクソンの発達段階は興味深いので、いつか詳しく書きたいと思います)

とにかく、20~30代の時期に

宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を小中学生に説明するなんてことは

学校の先生や文学者ならともかく

普通のサラリーマン、専業主婦にはかなりハードルが高いものではないでしょうか?

もしかして、文科省

子供と一緒に親にも学ばせようとしてた?

確かに、このような人ばかりなら世界は平和だわ。

 

長くなってしまったので

sukiyaki-kが現在「雨ニモマケズ」で考えることは次の記事で。

 

 

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